子どもの花粉症 Q&A
薬を長く飲むことが心配です。
薬は何週間分もらえますか?
受験生ですが、眠くなるのが心配です。
なぜ花粉症から中耳炎に?
レーザー治療について
痛みに弱く、レーザー治療が心配
薬は飲まなくてもいいの?
舌下免疫療法について
副作用が心配です。
症状が重いので、完治するなら……
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Q 薬を長く飲むことが心配です。 だんだん効かなくなることはありませんか?
薬は長く使ったから効かなくなるということはありません。大人になってひどくならないようにするためにも、今の薬の使い方がとても大事です。症状に合わせて薬を上手に使って軽くしてあげましょう。 Q 薬は何週間分もらえますか? 幼児の場合は最長でも2週間をめどに処方しています。薬を最少限に抑えるためにも、症状の変化を確認して症状に合わせて薬を調整していきます。 Q 受験生ですが、眠くなることが心配です。 眠くならないタイプの薬もありますのでご相談ください。眠くなる薬は効き目が強い薬でもあるので、眠気が起こらない薬でコントールできる状態にしておくためにも初期治療が大切です。 Q なぜ花粉症から急性中耳炎や滲出性中耳炎になることがあるの? 花粉症で鼻の粘膜に炎症が起こると、耳管を通して炎症が中耳にまで進んで急性中耳炎を起こすことがあります。耳管の働きが低下すると、中耳に滲出液がさらにたまりやすくなり、滲出性中耳炎を起こします。急性中耳炎と違って痛みがないので、発見が遅れがちですが、お子さんの難聴の原因のトップです。 Q 痛みに弱い子なので、レーザー治療を受けられるか心配です。 麻酔薬をしみこませた綿を鼻の中に入れる麻酔が効きますから心配いりません。少しの間じっとしていられる子なら大丈夫です。個人差があり、小学生よりも中高生の方が痛みに過敏ということもあります。夏季など鼻の状態のよい時期がおすすめです。 Q レーザー治療をすれば薬は飲まなくてもいいの? まったく薬なしでというわけにはいかないと思いますが、軽い薬で済むようになります。薬を飲まなくてもよい期間が長くなったり、薬の量が減ったりはします。 Q 副作用が心配です。 シダトレン、シダキュアの副作用として口内炎、口の中の腫れ、喉や耳のかゆみが指摘されていますが、治療を始めて1年以上経った当医院の患者さんたちからは心配されていた副作用の報告はありません。 Q 花粉症の症状が重いので、必ず完治するなら親が薬を管理できるうちに舌下免疫療法を受けさせたいと思いますが…… 舌下免疫療法は体質に働きかけて花粉症の症状を改善しますが、効果が出るまでの期間は1年半~5年と個人差があります。また、効果の持続期間は約7~8年といわれていますが、それ以上続くこともあります。なにぶん新しい処方なので明らかな臨床データがまだありませんが、当医院の患者さんの例では、飲み始めて5か月で効果を実感する方もいらっしゃいました。将来のために花粉症を治したいという高校生や大学生、生活に支障が出るぐらい症状が強いお子さんにはメリットがある治療法です。親元を離れたり、社会人になって忙しくなる前に治療するのはよい選択だと思います。
滲出性中耳炎を予防するためにも、しっかり花粉症の治療をしましょう。
イラスト:鼻と耳はつながっています。
舌下免疫療法はスギに加え、ダニ、ホコリなど他のアレルゲンがある方も対象となります。アレルギーマーチ(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギーの病気を複数経過すること)のリスクを軽減するので、他のアレルギーを予防したいお子さんにとっても価値があります。
なお、効果が出るまでの間は、即効性のあるレーザー治療と組み合わせることで薬を減らすことができます。